優良業者の条件と見分け方

優良業者の条件と見分け方の図01

優良業者の条件と見分け方

いざ修理や工事を頼もうとすると、誰に頼むのかを悩みます。どんな業者がいいのか、大きなリフォーム店、町の工務店、リフォームや雨漏り修理の専門店、またはネットで頼んだ方が安いかもしれない・・・とか、色々考えてしまいます。

仕事をしていて思うのは、「ごくあたり前のことが出来る」というのが非常に大切だなと思います。こんな業者(会社、職人)だったら工事を依頼しても安心だ、と思う項目を箇条書きにしてみました。

  1. 工事金額が適正である
  2. 仕事に対してプライドをもっている
  3. 職人(会社)として技術力がある
  4. 固定観念にとらわれず、その人らしい個性豊かな提案力がある
  5. お客様のことを第一に考えている
  6. 挨拶や整理整頓など、最低限のマナーがしっかりしている
  7. 工事中の気配りはもちろん、アフターフォローもしっかりしている

 

1、工事金額が適正である

工事金額の詳細図

工事金額が適正が一番であることは非常に大事です。適正でなければ追加金額が発生したり、レベルの低い仕事をされて損をします。

高額なリフォームで手抜き工事の悪徳業者もいますので注意が必要です。(悪徳業者の見分け方参照)

適正な工事金額といっても、会社の規模、形態によって利益のとり方が変わってきますので、見積りが高いからと言って適正価格でないとは言い切れません。

また職人経費(工事費)は会社ごとに雇用形態が異なりますのでここも変わってきます。職人の人件費(日当)は会社によっては、かなり安く設定されていて、職人泣かせの場合もあります。当然、人間ですので工事の質にかかわる場合が出てきます。お客様からは見えない世界ですが、大変重要な問題だと思います。

自信を持って誠実な工事が気持ちよく出来る人件費は良い工事、事故のない工事につながります。

商品については出来る限り、安価に提供できるのが望ましいと考えます。

一般的には、大きな会社は事務経費、テレビ雑誌などの広告費が大きいため当然利益も大きくとっていなければ会社そのものが存続できません。当然同じ工事内容、設備でも当社などとは30~60%位高い見積りになります。しかし、会社の信用性やメインテナンスを含めて安心感をとる、という考え方もわかります。新築や大規模リフォームなどには有利です。

小規模の専門店は、必要経費も少なく割安感があります。100~200万円位の一番多いリフォームにうまく利用できると安価でしっかりしたリフォームが行えます。

希望する工事内容により、依頼する会社を使い分ける事も大切です。

2、仕事に対してプライドを持っている

プライドを持って仕事をするというのは、どんな職業にもあてはまります。プライドを持って仕事をするのは、自分自身の表現でもあると思います。

ビス一つ打つにも、シールを1か所打つのにも、材料、下地の種類などを見分け、最適に処理しなければいけません。ビス一つ打つのでも、素材によっては下穴を開けてから、水が入るのがいけない場所ならシールと共に打つ、など気を配って打たなければいけません。

止まればいいやという感覚でビスを打つと、下地が少し割れたりもします。水が入る場所なら雨漏りの恐れもあります。ビス1本打つのにも自分自身が表れていると考えると、持ってる技術を全て出して工事をするということにつながります。

次のリフォームの時に「誰だ!こんないいかげな工事をして」と言われたくないし、「丁寧に工事がしてあった」と言われたい。化粧材料で隠された下地も丁寧に工事をするというのがプライドを持った職人だと思います。

プライドを持った職人さんか、そうでないかは作業を見ていればわかります。私が職人さんを選ぶとき、職人のプライドを重視して選ばせてもらっています。

プライド=頑固 と考える方もいらっしゃると思いますが、本当にプライドを持った人は、人の意見もよく聞き、良いものはとりいれ、考えが柔軟な方がほとんどです。

3、職人(会社)として技術力がある

技術力があるということは当然のことです。上記2番に記したプライドとも関係しますが、一人一人の技術が全体の技術となります。リフォームや雨漏り修理などは基本的な技術力で十分こなせる仕事です。一人一人が丁寧で確実な工事を進めれば安心出来る工事になります。

ただ耐震工事のような場合は、専門の建築家や会社にたよるのもよいと思います。コスト的には少し高くなりますが、町場の工務店では得られない提案や対策を持っています。

私も耐震工事を請け負うときは、耐震の専門家に見積りを依頼しています。リフォーム時の耐震対策は一般的な技術で十分ですので、どこをどのように対策をすればいいのかアドバイスをもらっています。

耐震専門家のアドバイスを受け、お客様との予算を考え、耐震工事の提案をしています。これなら、専門家の意見も入り、予算の事も考えてあるので安心なのではないでしょうか。

4、固定観念にとらわれず、その人らしい個性豊かな提案力がある

新築の現場ではある程度約束事にしたがって工事が進みます。ただリフォームの場合は、お客様の希望、現場の状態などにより、実際に設置工事などをするさいには、一工夫必要な場合も出てきます。

固定観念にとらわれていると工事が進まない場合もあります。お客様の意見も取り入れ、豊富な経験を生かした豊かな提案力が求められる場合も多いです。

雨漏りの現場では、通常ならこの工法で工事を行えば大丈夫という場合でも、実際には雨漏りしている場合も多いです。その場合、また同じ工程を踏むと、また何年後かには同じ現象が起こり、雨漏りする場合が多くなります。このような場合は、通常の工法以外で考えなければなりません。実際に現場を解体してみて、工法を変更しなければならない場合もあります。

このような場合、時間的には制約がありますので、現場でアイデアを出し合い、技術的に可能かどうか、予算的にはどうかと考えながら進めます。

「このようにしたらどうかな?」「それなら、こっちの方法が工事もしやすいので失敗がないよ」・・・などとアドバイスを求めつつ工事を進める場合が多いです。

提案力の豊かな職人さんと一緒に仕事をすると、工事もスムーズに進行し、安心感のある工事が行えます。

5、お客様のことを第一に考えている

お客様のことを第一に考えるというのは簡単なようで難しい事だと思います。簡単な修理や器機の入れ替えならある程度その工事をすればよいのですが、規模が大きなリフォームや修理などは、お客様のイメージとこちらの提案がずれている場合も多くなってきます。しかし簡単な修理や器機の入れ替えでもやはりお客様の立場に立って考えなければいけない場合も多くなります。

●工事について

お客様とのコミュニケーションが非常に大事です。よくあるのが写真や図で説明したのにもかかわらず、お互いの最終イメージが違っている場合があります。説明不足もありますがお客様にはなかなか工事イメージや完成系が見えにくいのが原因だと思います。

工事をする人間は当たり前のこととしてイメージできるものが、見る機会がすくない人にはイメージしにくいし、まったく別のイメージを持ってしまう場合もあります。なので私は現場で、写真や図を書いて説明するようにしています。工事の完成のイメージは業者もお客様も同じ形を描けるまで説明する必要があります。

またリフォームの場合、現場を解体してからの変更もあります。特に細かな変更が多く、スイッチや電源コンセントなどが予定通りの所に取り付けれられない、と言う場合もあります。このような細かな変更は使い勝手に関係するものが多く、変更になる理由と使いやすい位置を提案したり、お客様の考えをくみ取ることが大事です。

職人さん任せで進めるとトラブルの原因となりますので、職人とお客様の意見をまとめる工事管理者が必要です。(管理者が朝だけいてあとは職人任せの現場も多いので注意が必要です)

●予算について

予算についてはどう考えればよいのでしょうか。予算を明確にした大きなリフォームの場合は良いのですが、器機などの入れ替えの場合、お客様からよく言われるのが「こんな立派な商品を使った見積りでなくてもかまわないのに。もっと実用的でかまわない」という意見を良く聞きます。提案する側からすると、少しでも便利に少しでも高級感のあるものにと考えがちです。

器機の入れ替えの際も、とにかくこのまま使えればよいと、修理でもかまわない。という方もたくさんいらっしゃいます。年寄りばかりなので安価にすませたい。10年以上使える商品が良い、高価でも良いという方ももちろんいらっしゃいます。

高齢者の方は比較的、業者の言いなりで交換や修理をしてしまいがちです。お客様の真のリフォーム(修理)の意図を見抜く力とコミュニケーション力を提案する側は持たなければいけません。

6、挨拶や整理整頓など、最低限のマナーがしっかりしている

仕事をするうえでは基本中の基本です。工事前、工事後、工事中も気配りがかかせません。お客様だけではなく近所への挨拶、配慮、駐車場に対する配慮など、最近はかなり気を配って工事を行わないとクレームになります。お客様にもご迷惑をおかけしますので、神経を使います。

室内工事の場合は、女性の方が立ち合われる場合が多いので、マナーのしっかりした職人を選ぶことが大事です。別に愛想良くする必要はありませんが、受け答えで失礼のないようにすることが重要です。

私は、室内工事の場合は少しでもマナーに納得がいかない職人さんは入れないことにしています。(注意しても直らない場合ですが)

お客様が職人さんの気質を見るには、工事の車の中の整理整頓を見ることでだいたいその人の性格がわかります。ちゃんとしている人は、車の中の道具類などは綺麗に整頓されています。一度気をつけて見てみてはいかがでしょうか。

7、工事中の気配りはもちろん、アフターフォローもしっかりしている

上記でも書きましたが工事中の気配りは大事です。リフォームをしていると細かなホコリガ舞うために、工事が終わってみると隣の部屋までホコリがうっすらと積っている場合があります。工事中の部屋でもテレビや椅子などはビニールで覆うことがかかせません。ホコリを嫌うものをお客様に聞いてしっかり対処することも大事です。(意外と職人さんは無頓着なので)

音や振動の問題もあります。大きな音などの場合は近所に挨拶も欠かせません。

アフターフォローは最近は保険関係で対処している場合も出てきています。機器についてはメーカー保証があります。(延長保証もある場合があります)

器機保証については1年が多いのですが、数年で故障などの場合は意外と部品不良などの問題で、公にはせず対処している場合もありますので、お客様が直接メーカーに連絡を入れるより、取り付け業者からメーカーに対応してもらうと無料になる場合が多いです。あまり知られていませんが覚えておいてください。

工事保証ですがリフォームなどの場合は、会社ごとに異なる場合が多いようです。取り付け工事に関する技術的な問題がクリアーされていれば、商品の耐久性までは問題がおこることはあまりありません。

ただ取り付け工事に関する技術的な問題がクリアーされて工事が行われているかは大問題です。ここは職人のプライド、技術、工事会社の管理が問われます。

やはり良い業者を見つけるのが一番の安心材料ではないでしょうか。良い業者なら、万が一故障や不具合が出てもすばやく対処してくれると思います。